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波多野睦美 歌曲の変容シリーズ 第15回
想いの届く日ふたたび 〜氷と熱の楽器 バンドネオンと共に〜

2022年722日(金) 19:00開演
全席指定 5,500

公演終了
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波多野睦美(歌)
北村 聡(バンドネオン)
田辺和弘(コントラバス)

時代を超えた歌曲の魅力を波多野睦美の歌で再発見する「歌曲の変容シリーズ」第15回。さまざまな楽器との共振、音楽的な対話を経て、歌曲の新しい横顔が見えてきます。今回は蛇腹で呼吸する楽器バンドネオンと歌手の声。二つの息の共演。プログラムはバンドネオンが生き生きと活躍するタンゴの名曲を中心とする南米の音楽と、バルバラのシャンソンなど。自由なインスピレーションに満ちた北村 聡のオリジナル編曲で広がるバンドネオンの可能性に呼応して波多野睦美の歌は変容を続ける。 

 

Message from the Artist

 

想いの届く日――ふたたび

いま、気持ちを伝えるツールはスマホですか?パソコン?たとえ顔がみえ、声が聞こえても、匂いと温度は画面越しには届きませんね。同じ場所に居て、同じ香りをかぐ、そんな何気ないことの価値に気づいたこの2年でした。
44歳の若さで飛行機事故によって逝ったガルデルの曲、「想いの届く日 El día que me quieras」。スペイン語の直訳は「あなたが私を愛する昼」です。

あなたが私を愛する昼 薔薇が色鮮やかに咲き 噴水は歌う
あなたが私を愛する夜 星々は蒼い空を流れ 蛍があなたの髪にとまる

事故後に公開されたガルデル主演の映画では、この曲を本人が歌っていました。ある一日の大切さ、ある一人のかけがえのなさ、それはどんなふうに伝えれば「届いた」と感じられるのでしょう。この2年、悩んだ方も多いと思います。
熱さと冷たさを同時に感じるバンドネオンの響き。歌につまった様々な想いは、この楽器の体温が届けてくれることでしょう。
2年ぶりに王子ホールで皆さまにお会いできることを、心から楽しみにしています。

 

波多野睦美

 

>>「楓Vol.16」のインタビューを読む

 

 

パーセル:ソリチュード


プログラム

ラカジェ:アマポーラ
グアスタビーノ:薔薇と柳
ロジャース:私のお気に入り
メンデス:ククルクク・パロマ
モリコーネ:もし〜ニューシネマパラダイス
ガルデル:首の差で *バンドネオンソロ
    :想いの届く日
ラミレス/スエッ: アルフォンシーナと海
ラミレス : 夏のクリスマス
プーランク:愛の小径
パーセル:ソリチュード
アーン:クロリスに
ビジョルド:エル・チョクロ *バンドネオン 、コントラバス
ピアソラ:もしもまだ
ロドリゲス:ラ・クンパルシータ *バンドネオン 、コントラバス
ピアソラ/エスティガリビア:私はマリア
ピアソラ:オブリビオン

プロフィール

(c)HAL KUZUYA

波多野睦美(歌) 

英国ロンドンのトリニティ音楽大学声楽専攻科修了。シェイクスピア時代のイギリスのリュートソングでデビュー後、受難曲、オラトリオなどのソリストとして寺神戸亮、鈴木雅明、C.ホグウッド指揮他、多くのバロックオーケストラと共演。バロックオペラでも深い表現力で注目される。現代の作品にも作曲家から厚い信頼を得て取り組み、間宮芳生作品のアメリカでの世界初演、オペラ「ポポイ」、水戸芸術館「高橋悠治の肖像」、サントリーホール「作曲家の個展2013権代敦彦」、サマーフェスティバル2016「ジャック・ボディ/死と欲望の歌とダンス」他に出演。「歌曲の変容」シリーズを2005年から王子ホールで続け、古楽から現代にいたる独自の歌曲プログラムを開拓。NHK「ニューイヤーオペラコンサート」「名曲アルバム」「BSクラシック倶楽部」「題名のない音楽会」等に出演。CDは古楽器との共演による「イタリア歌曲集」(レコード芸術特選盤)等の他、高橋悠治(作曲/ピアノ)との「ねむれない夜」、シューベルト「冬の旅」、栃尾克樹(バリトンサックス)とのトリオによる「風ぐるま」、大萩康司(ギター)との「コーリング・ユー」「プラテーロと私」など多数。自身の訳詞と山本容子の版画による詩画集「プラテーロとわたし」を発表。22年7月、北村 聡(バンドネオン)とのアルバムをリリース予定。

北村 聡(バンドネオン) 

関西大学在学中にバンドネオンに出会い、小松亮太、フリオ・パネに師事。カナダ、チリ、アルゼンチン、シンガポールなど各国のフェスティバルで演奏。2011年には元ピアソラ五重奏団ピアニスト、パブロ・シーグレルのアジアチームに選抜される。14年には東京オペラシティ・リサイタルシリーズB to Cに出演し、意欲的なプログラムに挑戦して好評を得る。17年東京・春・音楽祭ミュージアムコンサートに出演。これまでに鈴木大介、舘野 泉、夏木マリ、EGO-WRAPPIN'、中島ノブユキ、リチャード・ストルツマン、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団と共演。NHK「八重の桜」「青天を衝け」、映画「そこのみにて光輝く」「マスカレード・ホテル」をはじめ様々な録音に参加、繊細な表現には定評がある。喜多直毅クアルテット、ジャノタンゴ、三枝伸太郎Orquesta de la Esperanza、大柴拓カルテットなど数多くの楽団に参加、活動中。

田辺和弘(コントラバス)

クラシック、アルゼンチンタンゴ、即興的な音楽表現などで活動するベーシスト。大学在学中からオーケストラなどのクラシックをベーシックに活動する中で啼鵬に誘われアルゼンチンタンゴと出会う。卒業後小松亮太との共演をきっかけに、これまでに国内外の多くのタンゴミュージシャンと共演。その後も多くのバンドにも継続的に参加。アルゼンチンのタンゴミュージシャンとも若手からビクトル・ラバジェン、オスバルド・ベリンジェリ、ホセ・コランジェロなどのタンゴ全盛時代のミュージシャンとも共演している。その他様々なジャンルで活動する中、2010年に即興演奏の第一人者でコントラバス奏者の齋藤徹氏と出会い大きな影響を受ける。氏の主催するベースアンサンブルに参加。ISB主催のベースコンヴェンションに参加する為渡米し、公演はスタンディングオベーションで好評を博す。その後はタンゴを始め様々なジャンルでも即興的なアプローチを試みている。その中でも喜多直毅クアルテットに参加。現在もオルケスタティピカパンパ、京谷弘司クアルテート、喜多直毅タンゴ四重奏団、小松真知子とタンゴクリスタルなどいくつものバンドに参加しつつ、タンゴ本来のグルーヴを更に追求しつつ、ジャンル関係なく音楽自体の持つエネルギーを表現するべく模索、活動している。