ojihall


Concert  コンサート情報

王子ホール委嘱作品
連作歌曲 「二本の木」

2014年215日(土) 14:00開演
全席指定 5,500円

完売
2013年10月26日(土)

油絵「寄り添う二本の木」2001 (c)小沢千緒

宮本益光(バリトン)
澤畑恵美(ソプラノ)
豊永美恵(クラリネット)
加藤昌則(作曲・ピアノ)

原作:小沢 爽・小沢千緒
台本:宮本益光
作曲:加藤昌則

NHKドキュメンタリーで2010年に放送された共に癌で亡くなった夫婦の闘病日記「二本の木」。互いに見せ合うことのなかった日記を妻、小沢千緒さんが亡くなった後、夫の小沢 爽氏(元NHKディレクター)が一冊の本に編集しました。ここで語られていることに、男女の生き様や夫婦のありよう、命の行方といった人間の根源的な部分を突きつけられた宮本益光が、連作歌曲として原作の言葉を基に台本を、盟友である加藤昌則が曲を創作することになりました。音楽はバリトン、ソプラノ、クラリネット、ピアノで紡いでいきます。宮本&加藤の二人にとって新たな挑戦となるこの作品が、多くの方に長く愛されることを願って、王子ホール委嘱作品としておおくりします。

 

加藤昌則氏による解説ページ

「二本の木」初演に向けてのプレガイダンス

http://www.masanori-music.com/colum/nihonnoki.html

プログラム

1.ツワブキの声(ソプラノ独唱)
2.ケータイメール(二重唱)
3.冬木立の頃(ソプラノ独唱)
4.誕生日(二重唱)
5.パートナー不調(二重唱)
6.オリーヴ幻想(二重唱)
間奏曲 (ピアノ&クラリネット)
7.青ざめたオリーヴ(転移)(二重唱)
8.キリストの問い(二重唱)
9.生みたての卵(二重唱)
10.後追いがん(二重唱)
11.埴生の宿にて(二重唱)
12.五月の虚空へ(二重唱)

※当公演は休憩がございません。曲目変更の可能性がございます。演奏時間は約60分を予定しております。

プロフィール

宮本益光(バリトン)

演奏、作詞、訳詞、執筆、演出と多才ぶりを発揮する新時代のバリトン。東京藝術大学、同大学院博士課程修了。2003年『欲望という名の電車』スタンリーで脚光を浴び、翌年の『ドン・ジョヴァンニ』標題役で衝撃的な二期会デビュー。その後も常に大舞台で活躍し、近年では10年神奈川県民ホール・びわ湖ホール『ラ・ボエーム』、新国『鹿鳴館』、日生劇場『オルフェオとエウリディーチェ』に出演。11年には二期会『ドン・ジョヴァンニ』標題役で出演し、絶賛を浴びた。「第九」や宗教曲でも読売日響、東京交響楽団、日本フィル等と共演を重ねる。イタリアからの室内合奏団アンサンブル・クラシカとのコラボによるCD「碧のイタリア歌曲」をニューリリースした他、CDは「おやすみ」「あしたのうた」、DVD「宮本益光リサイタル~日本語訳詞で聴くオペラ名場面集」、著作に『宮本益光とオペラへ行こう』、自ら作詞した歌曲の詞をまとめた詩集『もしも歌がなかったら』を発売している。12年4月、二期会創立60周年記念ガラ・コンサートに出演。11月には日生劇場開場50周年記念特別公演オペラ『メデア』イヤソン、13年2月二期会『こうもり』ファルケ、6月新国『夜叉が池』(世界初演) 学円で出演。11月には日生劇場会場50周年記念特別公演アルベルト・ライマン『リア』(日本初演)にオルバニー公爵で出演。二期会会員。

オフィシャルHP http://www.mas-mits.com


(c)西田 航

加藤昌則(ピアノ/作曲)

神奈川県出身。東京芸術大学作曲科を首席で卒業し、同大学大学院修了。卒業作品が東京文化会館にて初演される。在学中より自作自演による活動を始め、コンクール等にも自演により入選、入賞の経験を持つ。作曲家として、東京芸術大学打楽器アンサンブルコンサートの学生公募作品の代表として選ばれ初演された他、アジアミュージックフォーラム韓国公演に日本代表として参加など、実績を積む。活動は、その後海外にも向けられ、ロンドンのセント・ジェームス教会(イギリス赤十字社主催)や、イタリアなどでも自作品によるコンサートを開き好評を得る。これまでにNHK−FM「FMリサイタル」、「名曲リサイタル」などに出演、自作品を演奏し、放送終了後、リスナーからの問い合わせが多数寄せられるなど、反響を呼ぶ。2001年4月、デビューCD「SOLO」(アートユニオン/ART-3067)を発売。02年10月には、同CDの収録全曲所収の楽譜集も出版。また03年1月、女声合唱組曲「5つのソネット」の楽譜を出版し、同年3月、ムジークフェライン・ブラームスザールにてウィーンデビューを果たした。05年6月、日本を代表するクラシカル・サクソフォン奏者、須川展也からの委嘱により、「スロヴァキアン・ラプソディ〜サクソフォンとオーケストラのための〜」を作曲、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団の東京公演(サントリーホール)で初演され、好評を博す。同作品は、須川展也のアルバムにも収録され(金聖響指揮、東京交響楽団)、また09年3月ブラティスラヴァにても演奏され満場の喝采を浴びた。06年、自身初のオペラ作品「ヤマタノオロチ」を発表、日経紙上などで絶賛される。また、神奈川フィルの定期演奏会で新作「刻の里標石」を初演し、高い評価を受けた(同作品は、08年3月、東京オペラシティコンサートホール開館10周年記念公演にて再演され、07年秋、「個典」を開催、注目を集める。09年4月、宮本益光作詞による合唱組曲「あしたのうた」が音楽之友社より出版された。12年7月にはオペラ「白虎」が上演された。いわゆる「現代音楽」とは全く異なる視点で書かれた、美しく斬新な抒情性に満ちた作品は、多くの愛好者を持っている。またピアニストとしても定評があり、国内外の多くのソリストから指名を受けている。

オフィシャルHP http://www.masanori-music.com

澤畑恵美(ソプラノ)

情感溢れる歌唱と華ある舞台姿で実力・人気を兼ね備えたプリマ・ドンナ。国立音楽大学卒業。同大学院および文化庁オペラ研修所修了。第58回日本音楽コンクール声楽部門第1位。第21回ジロー・オペラ賞受賞。90年より1 年間文化庁派遣芸術家在外研修員としてミラノへ留学。オペラ研修所修了後直ちに二期会『フィガロの結婚』スザンナに抜擢されデビュー、鮮烈な印象を与え大型新人の誕生と注目を浴びる。『魔笛』パミーナ、『こうもり』アデーレ、『椿姫』ヴィオレッタ等着実に舞台を重ねる。2003年二期会創立50周年記念公演=ケルン市立歌劇場『ばらの騎士』ゾフィーで名演出家ギュンター・クレーマーより最大級の賛辞が寄せられた事は特筆に価する。以後も2007年東京二期会『天国と地獄』ユーリディス、2009年同『ラ・トラヴィアータ』ヴィオレッタ、2010年びわ湖ホール 神奈川県民ホール『ラ・ボエーム』ミミと活躍を続けている。同年東京二期会『メリー・ウィドー』ではハンナで出演し、圧倒的な表現と存在感をみせた。コンサートにおいてもモーツァルト「レクイエム」、ベートーヴェン「第九」、マーラー「交響曲第四番」「千人の交響曲」、ベルリオーズ「ファウストの劫罰」等のソリストとしてE.インバル、G.アルブレヒトなどの著名指揮者やNHK交響楽団をはじめとする主要オーケストラとの共演し常に高い評価を得ている。CD「にほんのうた」(フォンテック)をリリース。国立音楽大学准教授。二期会会員。



豊永美恵(クラリネット)

2002年からハンガリー国立F.リスト音楽院に留学。03/04年度ハンガリー政府給費留学生、平成18年度文化庁新進芸術家海外研修員。04年にリスト音楽院リサイタルでF.ヒダシュのクラリネットソナタを世界初演し本格的なソロ活動を始め、艶やかな音色と表現力溢れる演奏は、民族音楽などクラシック音楽以外の分野でも活躍の場を広げている。08年に帰国しこれまでブダペスト春の音楽祭、都民芸術フェスティヴァル、日本演奏家連盟主催「演連コンサート」、越のルビー音楽祭、北九州国際音楽祭、LA FOLLE JOURNEÉ au JAPONなど多数の演奏会に出演。“岩城宏之音楽賞2009”を受賞。文化庁主催「明日を担う音楽家たち2011」では、F.ヒダシュの「クラリネット協奏曲センプリーチェ」を日本初演するなど、積極的にハンガリーの作品を取り上げ、日本とハンガリー音楽界の親善大使的存在となるなど精力的に活動する他、東京ジュニアオーケストラソサエティなどで後進の指導にもあたる。13年ハンガリー作曲家によるクラリネット作品を集めたCD「Memories of Hungary」発売。