transit Vol.21
ボーダン・ルーツ
若い才能や未知のアーティストをご紹介するtransitシリーズの21回目は、2023年ロン=ティボー国際コンクール第1位、ウクライナ出身のボーダン・ルーツの初来日コンサート。17歳で国際コンクールに優勝して以来数々の賞を受賞し、現在ウィーン市立音楽芸術大学で学んでいます。今回のプログラムは持ち味の伸びやかで艶のある美音を十二分に発揮するもの。支えるピアノは、盤石な田村 響。奇しくも世代を越えたロン=ティボー1位同士の期待の共演となります。
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004より 「シャコンヌ」
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 Op.45
********** 休憩 **********
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.27-3 「バラード」
サン=サーンス/イザイ:ヴァイオリンとピアノのためのワルツ形式の練習曲 Op.52-6
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ボーダン・ルーツ(ヴァイオリン) 2004年ウクライナのリヴィウに生まれる。キーウ州立音楽学校、リヴィウ州立音楽学校で学び、スイスにある国際メニューイン音楽アカデミーを経て、現在はウィーン市立音楽芸術大学で学んでいる。22年17歳でデンマークの権威あるカール・ニールセン国際コンクールで第1位を、スイスのグシュタードで行われたアルベルト・リシー国際ヴァイオリン・コンクールでは第1位と聴衆者賞を受賞した。そして23年18歳でロン=ティボー国際コンクールのヴァイオリン部門で第1位併せて聴衆賞、評論家賞、オーケストラ賞を受賞している。今までに、スイス、デンマーク、フランス、スロヴァキア、ポーランド、イタリア、ウクライナなどでコンサートを行い、メニューイン音楽祭やベルリーヴ音楽祭などの国際音楽祭にも参加している。指揮者はミシェル・プラッソン、アンナ=マリア・ヘルシング、タラス・クリサ、ヤロスラフ・シェメット、ユレク・ディバウ、ジャン=ジャック・カントロフ他との共演をはじめ、コペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団、デンマークのオーデンセ交響楽団、リヴィウ国立フィルハーモニー交響楽団、トレンビータ室内管弦楽団などがある。25年には山田和樹指揮モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、ジャン=クロード・カサドシュ指揮リール国立管弦楽団、マリー・ジャコー指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団とデビューを果たした。いままでにJ.B.バッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタとアンナ・スクリレヴァ指揮によるオーデンセ交響楽団とドヴォルジャークの作品他を収めたCDがリリースされている。使用楽器はMr.Walter Fischliより、Rカルロ・アントニオ・テストーレを貸与されている。 |
![]() (c)武藤 章 |
田村 響(ピアノ) 2007年ロン=ティボー国際コンクールにおいて弱冠20歳で第1位に輝き、一躍世界に注目されるに至った。09年ビシュコフ指揮ケルン放送交響楽団の定期演奏会デビューと日本ツアーを行った他、これまでに、N響、読響、都響、新日本フィル、日本フィル、名古屋フィル、京響、大阪フィル、日本センチュリー響、東京シティ・フィル、神奈川フィル、仙台フィル、群響などと共演。日本各地でリサイタルを行う。室内楽活動にも力を入れており、アントニオ・メネセス、宮田 大、神尾真由子、三浦文彰等と共演を重ねる他、同世代のアーティストとも多数共演する。また、19年にはマニュエル・ルグリがプロデュースするバレエ作品にも出演。1986年愛知県安城市生まれ。3歳よりピアノを始める。18歳でザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学に留学。15年大阪音楽大学大学院修了。深谷直仁、清水皇樹、クラウディオ・ソアレス、クリストフ・リースケに師事。これまでに4枚のソロCDをリリース。06年第16回出光音楽賞、15年第70回文化庁芸術祭音楽部門新人賞等、受賞多数。現在、京都市立芸術大学准教授として後進の指導にも力を入れている。 |