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Concert  コンサート情報

アッコルドーネ
「フラ・ディアーヴォロ」~魔術とも薬ともなった歌と音~

2010年64日(金) 19:00開演

全席指定 6,500 

完売

グイード・モリーニ(音楽監督/オルガン、チェンバロ)
マルコ・ビーズリー(歌)
ステーファノ・ロッコ(バロック・ギター)
ファービオ・アックルソ(リュート)
フランコ・パヴァン(テオルボ)
マウロ・ドゥランテ(フレーム・ドラム)

アッコルドーネが再びやってくる。
アッコルドーネは、当代随一の人気テナー歌手マルコ・ビーズリーと、通奏低音の新たな視点を開眼するチェンバロ&オルガン奏者グイード・モリーニが1984年に結成した、日本でも熱烈なファンを持つイタリアの古楽アンサンブルです。メンバーにエンリーコ・ガッティ、フランコ・パヴァンら古楽界の雄が名を連ねているのも大きな魅力。ルネサンスから18世紀初期までのイタリアの声楽を核とした音楽に強い関心を持ち、教会音楽から世俗音楽、伝承音楽、果ては民族音楽というフィールドに音楽学的研究成果を取り込んでレパートリー化しています。そして、音楽とドラマの二つの要素を持つライブ・コンサートを最も重要な活動に位置づけ、その結果、ビーズリーとモリーニは歌手を芝居の登場人物に仕立て、更に楽器にもその作品に合わせた役を与える一種の演劇風コンサートを提唱、冒険的かつその時代の形態により近い演奏を実現しています。ヨーロッパ各地で開催される彼らのコンサートはロック・コンサート並みに人々を熱狂させます。聴衆は何故にそこまで彼らのステージに惹かれるのでしょうか。それは、ビーズリーの類い稀な美声、聖と俗、悪魔と天使が同居する媚薬のような声と雄弁な楽器たちの魅力に因るものでしょう。ひっぱりだこの彼らがようやく来日したのが2008年6月。さあ、10年6月、いよいよ待望の再来日です!!

プログラム

フラ・ディアーヴォロ

ナポリ王国の街々で奏でられていた音楽。
父から子へ口伝えに受け継がれた、ある世界のメッセージ、
南イタリアで密かに守られてきた真正な伝承の声。
魔術とも薬ともなった歌と音。

作曲者不詳/G.デ・ヴィットーリオ:単声のストルネッロ ~プーリア地方の伝承歌詞より
作曲者不詳/G.デ・ヴィットーリオ:激しく鳴らせ ~プーリア地方の伝承舞踊
作曲者不詳:いのちなくして 歌詞:フランチェスコ・スピネッロ (15世紀)
作曲者不詳/クラウディオ・デ・ヴィットーリオ (1959~):ばらの道 ~バジリカータ地方の伝承歌謡
マウロ・ドゥランテ (1984~):カラタランタ (即興演奏)
作曲者不詳:モンテヴェルジネのための歌 ~ナポリに伝わる儀式のタンムルリアータ
作曲者不詳/M.ビーズリー:ル・パッサリエッロ ~アプーリア地方の伝承歌謡
作曲者不詳/G.デ・ヴィットーリオ:この胸は愛のチェンバロになった ~アプーリア地方の伝承歌謡
マルコ・ビーズリー:タランテッラⅠ、Ⅱ、Ⅲ ~ナポリの伝承歌謡の断片をもとに再構成した
作曲者不詳/G.デ・ヴィットーリオ:フロンニ・ダリア ~アプーリア地方の伝承歌謡
作曲者不詳:カルピーノ娘 ~プーリア地方の伝承歌謡
作曲者不詳:高らかに打ち鳴らせ ~カラーブリア地方に伝わるルッフォ枢機卿の軍隊の歌 (1799年)
作曲者不詳/G.デ・ヴィットーリオ:馬車引きの歌 ~カラーブリア地方の伝承歌謡

プロフィール

アッコルドーネ(古楽アンサンブル)

ハイ・テナーのマルコ・ビーズリーと、グイード・モリーニらが1984年に創立したイタリアの古楽グループ。17世紀の規則により忠実な演奏の必要性を感じたビーズリーとモリーニは、劇的要素を採り入れて歌手を芝居の登場人物に仕立てた、一種の演劇風コンサートを提唱した。さらに、楽器にプログラム中の作品に合わせて「仕立てた」役を与えるという冒険に挑み、それによってその時代の専門書に書かれた内容により近い演奏を実現した。こうして昔の聖歌隊のように、アッコルドーネは自分たちのコンサートのための新しいレパートリーを作っていった。2004年、『フロットラFrottola』――イタリア後期ルネサンスの偉大な音楽の伝統に献じられたプロジェクト――、そして『レチタール・カンタンド(歌いながら演技をする、という意味)RecitarCantando』――17世紀初期に生まれた同名の様式に完全に則っている――が生まれ、それらはベルギーのレーベル「シプレ」でCD制作された。

グイード・モリーニ(音楽監督/オルガン、チェンバロ)

1959年ミラノ生まれ。オルガンとチェンバロを専攻し、古楽、特に通奏低音と即興を専門的に学ぶ。ヨーロッパの主要な音楽家と多数共演しており、レコーディングは70枚を超えている。84年にマルコ・ビーズリー、ステファーノ・ロッコとともにアッコルドーネを創立。古楽のスタイルによる編曲や改作を手がけてきたが、その後自由な作曲へと幅を広げ、同グループのためにオラトリオや教会音楽などの作曲を行ってきた。近作はビーズリーの歌詞に曲をつけた『あるオデュッセイア Una Odissea』(2002年)、『活気に満ちた精神は生命の力 Vivifice Spiritus Vitae Vis』( 05年)など。

マルコ・ビーズリー(歌)

1957年、イギリス人の父、ナポリっ子の母のもとに生まれ、イタリアでもっとも音楽的と言われるナポリで育った。ボローニャ大学舞台芸術コースに入り、特にルネサンス・バロック期の声楽を中心に勉強した。15~16世紀の音楽、特に「レチタール・カンタンド」と宗教およびポリフォニーという、その時代の代表的な二つの様式に焦点を絞って文献の研究をした。「アッコルドーネ」は彼の芸術的個性を存分に開花させ、彼の活動の中心となり、また当然のことだが新しいアイディアを打ち出す骨組みとなってきた。2001年からはアッコルドーネの新作の歌詞はすべてマルコ・ビーズリーが書いている。

ステーファノ・ロッコ(バロック・ギター)

ヴェローナ音楽院でルネサンス・リュートを勉強した後、ボローニャ大学音楽科に入り、卒業後もボローニャ市に住む。通奏低音の専門家としてリュートとテオルボを演奏。古楽演奏と新しいコンピューター・テクノロジーとの融合を追究するデュオ「アックロッコ!」を創立した。

ファービオ・アックルソ(リュート)

ヴェローナ音楽院のリュート科を卒業。レパートリーは中世・ルネサンス・バロック音楽から現代音楽に及び、さらに古楽と電子音楽の融合をも含む幅広いものである。ステーファノ・ロッコとともに、リュート・デュオとエレクトロニック・ベース、そしてデジタル音効果をも試みた実験的プロジェクト「アックロッコ!」を立ち上げた。

フランコ・パヴァン(テオルボ)

ソロやアンサンブルの活動により、近年のイタリアを代表するリュート奏者の一人と評価されている。アッコルドーネ、コンチェルト・イタリアーノ(監督:アレッサンドリーニ)などの古楽アンサンブルに参加している。現在、ヴェローナの「F・E・アーバコ」音楽学校でリュートと古楽器による室内楽を教えている。


マウロ・ドゥランテ(フレーム・ドラム)

14歳のとき、父ダニエーレの率いるプーリア州サレント地方の歴史的民衆音楽グループ「カンツォニエーレ・グレカーニコ・サレンティーノ」のメンバーとなる。サレントに伝わるさまざまな演奏法の研究を専門的に行い、イタリアや諸外国のフレーム・ドラムの巨匠たち-アルナルド・ヴァッカ、ゾアル・フレスコ、アルフィオ・アンティーコら-のステージや講座に通って研鑽を積む。2006年からアッコルドーネとの協同活動。07年、父ダニエーレの後を継いで「カンツォニエーレ・グレカーニコ・サレンティーノ」のリーダーとなる。