ojihall


Concert  コンサート情報

王子ホール委嘱作品 ギリシャ劇「エレクトラ3部作」<アトレウス家の崩壊と再生>
第3話 弟オレステスの放浪と帰還

2005年714日(木)、15日(金) 19:00開演 16日(土)、17日(日) 15:00開演

全席指定 6,000円 各日開演30分前より、作曲者自身による15分程度のプレ・トークがあります

笠松泰洋(指揮)
篠井英介(語り)
森山開次(ダンス)
飯田みち代(ソプラノ)
成田博之(バリトン)
室屋光一郎(ヴァイオリン)
大平 清(サズ・ウード) 
安田謙一郎(チェロ)
山田武彦(ピアノ)
高子由佳(クラリネット)
藤田 旬(ファゴット)
齋藤 順(ベース)
萓谷亮一(パーカッション)

演劇・舞踊・音楽
各界の個性派が眼前で紡ぎだす、再生の物語。

 

語り、ダンス、歌、器楽合奏を融合させた、王子ホールの委嘱によるライブハウス・オペラ「エレクトラ3部作」。3年間の集大成となる「弟オレステスの放浪 と帰還」では、演劇界の奇才、鈴木勝秀が演出を担当。硬質で透明な舞台から人間の心の襞を映しだすその手腕で、演者から、そして王子ホールの空間から何を 引き出すか、大いに楽しみなところです。今回語り手を務めるのは、男性・女性を瞬時に演じ分けるたぐい稀な女形、篠井英介。振付・ダンスは従来のコンテン ポラリーダンスの枠を越えて世界的に注目を浴びる森山開次。ソプラノは昨年の公演で声の力を存分に示した飯田みち代が引き続き登場。多彩な表現力を誇るバ リトン、成田博之との二重唱にも期待がかかります。ジャンルの壁を越えて集うアーティストたちが描きだす苦悩と再生の物語――今年最高のコラボレーション 作品は、ここ銀座で生まれます。

 

作曲・台本構成 笠松泰洋
演出・台本 鈴木勝秀
作詞・台本協力 岡本おさみ
振付 森山開次
舞台監督 白石英輔
照明 小笠原 純
衣裳 竹原典子
音楽監督助手 中原達彦
舞台監督助手 近田裕美
マネジメント協力 オレンジノート
企画・制作 王子ホール

プログラム

あらすじ

物語 はエレクトラとオレステス姉弟が母親を殺害した数日後のミュケナイの王宮から始まる。母殺しの罪に苛まれ、復讐の女神により狂気に追い込まれる弟オレステ スと、それをなすすべなく介抱する姉エレクトラ。アルゴスの正統な王に迎えられると思っていたオレステスだが、市民の投票により死刑を宣告されてしまう。 折りしも父の弟メネラオスが、トロイア戦争の原因となった妻ヘレネを密かに連れて帰国する。しかしメネラオスは彼らに力を貸そうともしない。姉弟は親友 ピュラデスと共にヘレネを殺害し、メネラオスとヘレネの娘を人質にとることでこの窮地を脱出しようと画策。混乱のさなか、太陽神アポロンが降臨し、「オレ ステスは罪を贖うために放浪すること、エレクトラはピュラデスの妻となること、ヘレネは神の列に加えられること」という神々の裁定を告げる。オレステスは 放浪の末、黒海の北、タウリケの地に流れ着いたところを捕らえられ、アルテミス神殿の生贄に供されそうになる。その窮地を救ったのは、生贄の儀式を司って いた神官。その人こそ、父アガメムノンに殺されたはずの長女イピゲネイアであった。奇跡の再会を果たし、故郷へ向けて逃亡する姉弟に追っ手が迫るなか、女 神アテナが現れる…。

プロフィール

篠井英介(語り)

日本大学芸術学部演劇学科卒業。日本舞踊 宗家藤間流師範名取。1984年加納幸和事務所に参加、(87年花 組芝居と改名)90年まで在籍。92年には、第29回ゴールデンアロー賞演劇新人賞を受賞。最近の出演作に、舞台では「Hamlet」「欲望という名の電 車」「BENT」「狐狸狐狸ばなし」「心中天網島」「子供騙し」等、映画では「ゲロッパ!」「キューティーハニー」等がある。そしてNHK-BS2の海外 ドラマ紹介番組ではレギュラーナビゲーターを務めている。現代劇の女形として、舞台のみならず映像の世界でもその妖艶な魅力により異彩を放ち高い評価を受 けている。
本年は、4月に大地真央との初共演が話題の「トスカ」への出演、映画「オペレッタ狸御殿」「殴り者」が公開されている。現在、WEB ダヴィンチにて往復書簡で綴られる「拝啓 篠井英介様」を連載中。枠にとらわれず様々な作品、様々な分野で活躍中であるが、今後もさらなる飛躍が期待され ている。

森山開次(振付・ダンス)

型にはまらない独特の表現が国内海外で高く評価されている、今最も注目のコンテンポラリーダンサーの一人。多くの ダンス公演参加、テレビCFや東アジア競技会開会式振付などを経て2001年ソロ活動開始。代表作にアジア5カ国で発表の「Lamazuella」、神社 境内での公演「月日記」、能楽師・津村禮次郎とのコラボレーション「弱法師」「OKINA」(新国立劇場)など常に実験的な活動で知られる。時に彫刻にた とえられるほど精巧な身体から繰り出される、しなやかかつ直線的な動きと幻想的な作品世界は「森山開次が切り拓く地平」(ダンスマガジン04年12月号) 「驚異のダンサーによる驚くべきダンス」(米・New York Times誌05年1月)と評されている。舞台のみならず、04年よりNHK教育「からだであそぼ」にて自身の振付・出演によるコーナーにてレギュラー出 演。映像関係者の注目も高く、映画「茶の味」、TVCF「GATSBY」起用のほか、05年も映画「ナイスの森」出演など、さまざまなジャンルでの身体表 現に果敢に挑んでいる。 

飯田みち代(ソプラノ)

京都大学教育学部教育心理学科卒業。1990年日本イタリア声楽コンコルソ金賞他受賞多数。「ヘンゼルとグレーテ ル」グレーテル役でオペラデビュー。「椿姫」ヴィオレッタ、「リゴレット」ジルダ、「ランメルモールのルチア」ルチア、「愛の妙薬」アディーナ、「セヴィ リアの理髪師」ロジーナ、「こうもり」ロザリンデ、ヴォルフ=フェラーリ「スザンナの秘密」スザンナ、「ねじの回転」家庭教師、「ラ・ボエーム」ミミ、 「夕鶴」つう、「魔笛」夜の女王等で出演。2002年二期会「椿姫」フローラ、05年3月「魔笛」夜の女王で出演。「第九」や「メサイア」、「天地創造」 など交響曲、宗教曲などのソリストを務め、日本だけでなくイタリア、ドイツ、オーストリアにおいてもコンサートやリサイタルなどに出演。幅広く活躍してい る。03年11月日生劇場・二期会共催公演「ルル」タイトルロールでの好演は魅惑のディーバへの期待に十二分に応えた。(「ルル」は03年度 ミュージック・ペンクラブ賞受賞)。ウィーン在住。

成田博之(バリトン)

国立音楽大学声楽学科卒業。同大学院オペラコース、二期会オペラ スタジオ第38期、文化庁オペラ研修所第10期修了。文化庁派遣芸術家在外研修員としてイタリア・ボローニャに留学。第8回日本声楽コンクール第1位をは じめ受賞を重ね、2003年アテネで開催された「国際ミトロプーロス声楽コンクール」で最高位入賞など、数々の栄誉に輝く。これまで「フィガロの結婚」アルマヴィーヴァ伯爵、「セビリアの理髪師」フィガロ、「トロヴァトーレ」ルーナ伯爵、「カルメン」エスカミーリォなどの他、 創作オペラ「祝い歌が流れる夜に」や「那須与一」をはじめ1999年の原 嘉壽子作「罪と罰」(初演)、00年には二期会公演「魔笛」、02年新国立劇場小劇場 オペラ「賢い女」に出演。03年日生劇場開場40周年記念特別公演、ベルク「ルル」に出演。またサントリーホールオペラ「トスカ」での好演は注目を集め た。コンサートでは「メサイア」「ドイツ・レクイエム」フォーレ「レクイエム」「カルミナ・ブラーナ」「第九」等がある。

笠松泰洋(作曲・台本構成・指揮)

東京大学文学部美学芸術学科卒業。現代音楽の新作から、演劇、TV、映画の音楽制作・音楽監督など幅広い 創作活動を展開している。蜷川幸雄演出「ハムレット」、「グリークス」、「ロミオとジュリエット」、江守徹演出「8人の女たち」などの音楽を担当。芸術の ジャンルを越えた新時代の作曲家・音楽家として、益々の期待が寄せられている。

鈴木勝秀(演出・台本)

1987年に“ZAZOUS THEATER”を旗揚げ。主宰者として構成・演出を務める。演劇だけでなく音楽ライブの演出、TV・映画の脚本も多い。昨年の作品に『BENT』 『LYNX』『ダム・ウエイター』『偶然の男』『ママがわたしに言ったこと』『ディファイルド』がある。草サッカーチームFC AARDVARKの監督でもあり多忙なスケジュールをこなす。

岡本おさみ(作詞・台本協力)

作詞家。音楽劇の作詞にも関わり現在へ。歌では「旅の宿」(吉田拓郎)、「襟裳岬」(森進一)など、芝居 は「セッアンの善人」、「三文オペラ」、「ハムレット」など。2003年、自作詞によるアルバム「アコースティックパーテイー With吉川忠英」は福山雅治、比嘉栄昇(ビギン)、あがた森魚など世代をこえた歌手が参加し、リスペクトレコードよりリリースされた。

室屋光一郎(ヴァイオリン)

東京芸術大学付属音楽高校を経て、東京芸術大学卒業。在学時から多方面の音楽活動を展開。2001年、コンテンポラリーダンスのH.アール・カオスのツ アーに参加。02年、パルコ劇場にていっこく堂・篠井英介の二人芝居「兵士の物語」、04年の「GOOD」に出演。現在、主にスタジオやライブで活躍中。 中西圭三、渡辺美里、平井堅、aiko、平原綾香など。最近ではプロデュース活動も展開している。

大平 清(サズ・ウード)

トルコにて弦楽器サズをイルファン・オラル他に師事。アテネではヤニス・ブクバラスにギリシアの民族楽器ブズーキを、またウメル・メメット他にドタールを 師事。ウードは常味裕司に師事。トルコ大使館主催コンサートやトルコ共和国独立記念公演などでのコンサート活動の他、NHK-FM番組へのゲスト出演、大 学などでの講演活動、音楽誌への執筆なども行う。萱谷亮一、室屋光一郎とユニットを組み、新スタイルの音楽の創作にも力を注いでいる。

安田謙一郎(チェロ)

斎藤秀雄、ガスパール・カサド、ピエール・フルニエに師事。1966年第34回音楽コンクール第1位、海外派遣コンクール特別表彰。66年第3回チャイコフス キー国際コンクール第3位。ヨーロッパ各地でリサイタル、コンチェルト、レコーディングなど多方面で活躍し、74年には小澤征爾指揮サンフランシスコ響と 共演。86年には安田弦楽四重奏団を結成、ハイドン弦楽四重奏全曲演奏、ベートーヴェン年代順室内楽作品の演奏会など貴重な活動を続けている。

山田武彦(ピアノ)

東京芸術大学大学院作曲科を卒業後、パリ国立音楽院ピアノ伴奏科首席卒業。帰国後は的確でおおらかなアンサンブルの方法や、色彩豊かな音色によるピアノ奏 法などで、ピアノ伴奏の名手としてさまざまな演奏家から信頼を得ている。また、クラシック音楽の従来のレパートリーと、シアターピース的なアプローチによ る自らの編曲作品や新作とを結びつけるなど、新しい音楽表現の可能性を常に模索し続けている。

高子由佳(クラリネット)

東京芸術大学附属高校を経て東京藝術大学に入学。学内において安宅賞、NTT-Docomo賞を受賞。1998年同大学を首席にて卒業後、DAADドイツ 学術交流会奨学生、のちに文化庁芸術家在外研修員としてドイツ・デトモルトへ留学。これまでに芸大オーケストラ、ドイツHalle国立管弦楽団、デュイス ブルク・オーケストラ、Bielefeld室内管弦楽団と協演。日本木管コンクール入選併せてコスモス賞受賞、ドイツ・カッセルにてクラリネットコンクー ル2位(1位なし)、国際ウェーバーコンクール入選。2004年ドイツ国家ソリスト資格を最優秀の成績で取得。クラリネットを木村健雄、山本正治、村井祐児、ハンス・ディートリヒ・クラウスのに師事。

藤田 旬(ファゴット)

東京音楽大学器楽科卒業。同大学に於て霧生吉秀、菅原眸の両氏に師事。山形交響楽団在籍後、旧西ドイツ国立カールスルーエ音楽大学入学。同大学に於てギュ ンター・プフィッツェンマイヤー、シュテファン・クリンクスに師事。在独中リューネブルク市立劇場管弦楽団在籍。同楽団退団後帰国。現在フリー奏者 としてオーケストラ及び室内楽など各方面で活躍している。広島文化振興財団ヒロシマ・スカラシップ第6回奨学生。ロイヤルチェンバーオーケストラ及び東京 モーツァルトプレーヤーズ各メンバー。

齋藤 順(ベース)

東京芸術大学器楽科卒業。1987年中西俊博、フェビアン・レザ・パネらと共にアルゼンチン・コンチネンタルタンゴのCDをリリース、タンゴブームの火付け役となる。その一方で古澤 巌、葉加瀬太郎らとヴィンヤード・シアターを結成し、自由でジプシースタイル的な演奏活動を行う。演奏だけでなくピアノやスト リング等の作曲、編曲を多数手掛けている。現在はスタジオ・ミュージシャンとしての活動を中心に服部克久、久石 譲、羽田健太郎、宗次郎、佐藤しのぶ、 coba、福山雅治等のユニットに参加するほか、東京音楽大学附属高校において後進の指導にあたっている。

萱谷亮一(パーカッション)

岡山県倉敷市出身。8才よりドラムを始める。1995年、東京芸術大学音楽学部器楽科打楽器専攻に入学すると同時にリズム教育研究所に研究員として参加。 世界のリズムや打楽器の奏法について興味を持ち始める。99年、同大学卒業。現在はドラムセット、ラテンパーカッション、ジャズヴァイブを含むオールラウ ンドな打楽器奏者として、「ライオンキング」「ウェストサイド・ストーリー」「オケピ!」などのミュージカル、野口五郎や吉田兄弟、久石譲らのサポート、 ドラマ、映画、CMなどのスタジオワーク、JAZZのセッションを活躍の拠点としながら“どんな現場でも対応できるマルチパーカッショニスト”を目指し日 々精進している。